社会のルールがキリスト教によって支配されていた中世は、バスト受難の時代でした。体の美しさを強調するものは、性欲を刺激して信仰を妨げるものとして退けられました。暗い中世に終わりを告げたルネッサンス期からは、ボッティチェリの『ビーナスの誕生』に象徴されるように、女性的なやわらかな体の美しさが尊ばれるようになってきます。豪華絢爛なバロック美術の時代に活躍した画家・ルーベンスが大画面に描いたのは、豊満な女性たちの裸体美でした。当時の貴族社会では、コルセットでウェストを極端に締めつけた下着が用いられていましたが、それによって、広い衿ぐりからのぞくバストの豊満さは、さらに強調されていました。