30年代半ばになると、これら百貨店が合繊メーカーとのタイアップキャンペーンなどにより既製服の需要拡大に寄与、海外の有名デザイナーとの提携も活発化し、「プレタ・ポルテ(高級既製品)」として既製服の高級化に大きく貢献している。この結果、衣料業界はオーダーの時代から既製服の時代に入っていく。当初はセーターなど軽衣料、それがスラックス、ブレザー、スーツなどに広がり、重衣料の既製化率は30年代初めには30%程度だったのが、30年代終盤には70%を超えるようになる。こうして「原反をつぶす業者――つぶし屋」といわれていた衣服業者が急成長していき、やがてアパレルメーカーと呼ばれるようになる。昭和40年代に入るとアパレルではレナウンが「イェイエ」のテレビコマーシャルを開始するなど独自の宣伝・販促にも乗り出し、社会的存在として、その基盤を固めていく。1974(昭和49)年には、レナウンがアパレルメーカーとしては初の売上高1000億円を達成している。続いてグンゼ、オンワード樫山、ワコール、ワールド、イトキンなど1000億円企業が続々と誕生、アパレルメーカーは合繊メーカーに代わり、日本のファッション業界をリードするようになる。