三年後の自分のイメージが湧かない最後に指摘したいのが、自分のキャリアに対する不安感だ。入社三年目ぐらいになると、これまでの会社生活の経験をもとに、社内でのキャリアがある程度見え始める。自分がこれまで任されてきた仕事の中身や量、成長度合い、先輩たちの「仕上がり感」、上司たちの昇進程度、社内の派閥や人脈、会社組織のタテマエとホンネ、そういったものも見え始めてくる。「いまから三年(入社六年目)だと、この程度のレベル感で成果を出しているのか」とか「わが社のエース級は社外からこの程度の評価を得ているのだな」とか「この会社で成果を認められるには、こういう点がポイントなのだな」といった具体的な相場観とか組織の価値基準のようなものがわかってくる。
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つまり社内の現実が見え始めてくるのである。その時、「自分もあんな人になりたいなあ」というキャリアターゲットになるような先輩や上司が身近にいればいいのだが、現実にはそれが見当たらないことも多い。そのため「このままだと自分もああなってしまう」という負の側面ばかりが目につくことになる。三年目社員に対する意識調査でも、「尊敬できる、目標となる上司がいる」と回答した人は三四・五八Iセントにとどまっており、六五パーセント以上の三年目社員は尊敬する上司がいないという結果になっている。ちなみに上司に比べると先輩に対する評価のほうが高く、「尊敬できる、目標となる先輩社員がいる」との回答は五一・六パーセントとなっている。しかしそれでも半分近くの社員は周囲に目標となる先輩がいないと感じている現実は変わらない。