早・慶・上智はゆずれない

2011-08-02

個別指導塾に入塾した一ヶ月後に、面談のときがやってきました。私はいままでの状況を母親に説明しました。「現状分析の結果、中学英語の復習から始めることになりました。テキストはこちらです」「えっ?中学の復習・・・ですか?そんなので間に合うんですか?受験まで一年を切っているんですよ」「高校英語は中学英文法がベースになっているんです。中学英文法でつまずいているのに、高校英語などできるはずはありません。中学レベルまで戻って語彙力もつけなければなりません。ただし、お子さんは潜在能力をお持ちですから、夏の初めには高校英語に入れると思います。こちらがカリキュラムです」「それから担当講師ですが、T講師が指導することになりました。お子さんのご希望です。とても相性が合うようです」「その講師の方はどちらの大学にお通いですか?」「A大学です。何か不都合でもおありでしようか?彼は家庭の事情で苦労して勉強をし、一浪して大学に入りました。でも、だからこそ、人の痛みがわかるすばらしい講師です」「まあ、本人が良いと言うなら仕方がないですけど・・・とにかく早・慶・上智はゆずれませんから、お願いします」私はとにかく必死でした。しかし、もともとのポテンシャリティは高い生徒だったため、その後の学力の伸びは目覚しいものがありました。夏はT講師と二人三脚でがんばり続けました。授業を重ねるたびに彼の猫背は直っていき、出迎えや見送り時にあいさつも返してくれなかった彼が恥すかしそうに軽く会釈をするようになったのです。そんなある日のことでした。
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