羊毛の皮質部は吸湿性が高い

2010-12-19

羊毛の皮質部は吸湿性が高いので湿気や水を十分に吸収する。湿気の高い夏の時期や発汗が多いスポーツの後、羊毛は自重の三〇%まで水分を吸収して、しかも皮膚に濡れた感じを与えない。夏でも涼しく着られるサマー・ウールまたはスポーツーウェアとして、この吸湿性が威力を発揮する。また、弾力性に優れているため、シワになりにくく、一度シワが付いてもとれやすい。過酷な使用条件にあっても弾力性と弾力回復の良いことから、衣服の形態が崩れることが少ない。つまり形態の安定性が良いことになる。毛織物は、紳士スーツ、婦人スーツ、ジャケット、スポーツウェア、スラックス、スカート、コート、礼服、モーニング、ユニフォーム、プリント服地、子供服、学生服などに用いられている。蛋白質繊維である羊毛は化学反応性に富んでおり、各種の染料との親和性が大きい。しかも、染料分子やその他の化学薬剤と強固に反応するのでその効果は永久的で、色の染色堅牢度が高い。羊毛の表面を覆っているウロコ(スケール)は洗濯など液体の中で力を加えると、繊維がお互いに絡み合って縮絨し、フェルト化を起こす。これがセーターなどの縮みを引き起こすのだが、現在ではウロコの角を削ってフェルト化を防止するといった防縮加工処理も考案されている。逆に羊毛のフェルト化を利用したものがフェルトの布であり、クッション材として、また毛布やビリヤード・クロスのように防寒の目的や弾力性のある織物として使われる。